女性の円形脱毛症はストレス以外でも発症する!遺伝も関係あり!

「円形脱毛症」とは、年齢に関係なく髪の毛が急に抜け始める脱毛症です。

一般的にストレスが原因と思われがちな脱毛症ですが、「円形脱毛症」の原因はストレスだけではありません。

様々な要因が、「円形脱毛症」を起こします。

そのうち治るだろうと放置せず、症状に気づいたら早めに対処しましょう。

女性の脱毛症には様々なものがありますが、円形脱毛症は他の脱毛症とは原因が大きく異なります。

この記事では、女性の円形脱毛症についてみていきましょう。

「円形脱毛症」の特徴

「円形脱毛症」は、性別や年齢に関係なく赤ちゃんから大人まで幅広い年代の人に起こる可能性がある脱毛症です。

人口の1〜2%の割合で見られ、これは世界中どの国でも共通しています。

皮膚科を受診する脱毛症では、最も多いうえに治療が難しいです。

精神的ストレスが原因と思われがちですが、発症にストレスが関係ないこともあります。

発症後に外見が大きく変わることでストレスが強く出るため、ストレスが原因と言われることが多いのでしょう。

症状としては100円玉くらいの大きさのハゲが1〜数個できる場合と眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜けてしまう場合があります。

他の脱毛症と比べて進行が早く、病的な抜け方をするのが特徴です。

ほとんどの場合が自覚症状がないままに脱毛しますが、稀に脱毛前脱毛中にかゆみや違和感を感じる方もいます。

1人で悩んで誰にも打ち明けられずに進行してしまうことも少なく無いので、症状が出たら医療機関を受診しましょう。

「円形脱毛症」の種類

「円形脱毛症」と言っても、症状によりいくつかのタイプに分かれます。

  • 通常型
  • 蛇行型
  • 全頭型
  • 汎発型

それぞれのタイプの特徴を見ていきましょう。

通常型

最もよく見られるのが、通常型タイプの円形脱毛症です。

脱毛班の数で「単発型」と「多発型」に分かれます。

「単発型」は、10円ハゲと呼ぼれるもので髪の毛の一部分が丸く脱毛するのが特徴です。

この単発型のハゲが、複数箇所に現れた場合を「多発型」と言います。

「単発型」から「多発型」へと移行する場合もあるでしょう。

脱毛の範囲がどのくらいかと、発症してからどのくらいの期間が経過しているかが重要です。

発症してから1年以内の「単発型」と脱毛箇所が少ない「多発型」は、1年以内に80%の患者が完治したという国内調査の報告があります。

どちらも軽傷の場合には、何もしなくても自然に治ることもあるでしょう。

しかし、脱毛範囲が広い場合や症状が現れてから時間が経っている場合には治療が難しくなってしまいます。

蛇行型

蛇行型は前頭部や後頭部、側頭部などの髪の生え際に細長く脱毛班が現れるタイプです。

まるで蛇が蛇行しているかのように、広い範囲に脱毛が見られます。

この蛇行型、は治りにくいです。

たとえ脱毛範囲が狭いとしても、治療は長引く傾向にあります

全頭型

通常型の「多発型」の範囲が広がって頭部全体に症状が出たものが、全頭型です。

全ての髪の毛が抜け落ちてしまうほど重症なので、とても治りにくく治療は長期化します。

カツラや帽子を被るなどして、病気とうまく付き合っていくことが重要です。

汎発型

全頭型がさらに進行して眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜けてしまう状態です。

円形脱毛症の中では最も重度ですが、治療を続けることで治る可能性はあります

「円形脱毛症」の原因

「円形脱毛症」の原因は、毛包細胞に対しての自己免疫疾患です。

私たち人間の身体には、細菌やウイルスなどから身を守るために免疫システムがあります。

例えば風邪を引いた時に体温が上がるのは、免疫がウイルスと戦っているからです。

しかし免疫システムに何らかのエラーが起こると間違えて自分の身体を異物として攻撃してしまう場合があり、これが自己免疫疾患です。

「円形脱毛症」は、免疫が毛根を誤って異物と判断し攻撃してしまうことで起きると言われています。

「円形脱毛症」の脱毛部分は、どの毛穴も毛根が縮んでおりヘアサイクルで言うところの休止期のようになっているのが特徴です。

これは、成長期の毛根がリンパ球によって炎症し壊されてしまうことが原因とされています。

毛根が攻撃によりダメージを受けると、髪の毛が抜け落ちて脱毛してしまうのです。

では、なぜ免疫システムがエラーを起こしてしまうのか見ていきましょう。

考えられる要因は以下の通りです。

  • 精神的ストレス
  • アレルギー体質
  • 薬剤アレルギー
  • ウイルス感染
  • 頭皮疾患
  • 疲労

実際には明らかな原因が見つからない場合も多いのですが、これらの要因についていくつか見ていきましょう。

精神的ストレス

「円形脱毛症」は、ストレスが原因だという話は有名です。

「円形脱毛症」に精神的ストレスが関係しているかは、以前から議論されています。

患者自体が精神的ストレスで起きたと思う場合は多いのですが、一方では全くストレスを自覚していな患者も多いです。

「円形脱毛症」の原因としてストレスは科学的根拠は乏しいのですが、ストレスは万病の元ですので髪の毛にとっても良くはないでしょう。

ストレスが溜まると、頭皮への血行が悪化してしまいます。

頭皮の毛細血管から髪の毛を育てるために必要な栄養素や酸素が運ばれているので、頭皮の血行不良が起こるとそれらが毛根に届かなくなるでしょう。

すると、髪の毛の元気が無くなり脱毛しやすくなります。

しかし赤ちゃんが「円形脱毛症」を発症することもあるので、原因はストレスだけではないと考えられるでしょう。

アレルギー体質

「円形脱毛症」は、アトピー素因の人に起こりやすい脱毛症です。

アトピー素因とはアレルギー体質のことで、具体的には以下のような方がなりやすいと言えます。

  1. 自分または家族が気管支喘息
  2. アレルギー性鼻炎・結膜炎
  3. アトピー性皮膚炎
  4. IgE抗体を作りやすい体質(アレルギーに関わる物質)

「円形脱毛症」は、特にアトピー性皮膚炎と合併して起こることが多いです。

ちなみにIgE抗体を作りやすい体質かどうかは、血液検査で調べられます。

「円形脱毛症」の症状が重い人ほど、アトピー素因の合併率は高いので、注意が必要です。

「円形脱毛症」の治療

「円形脱毛症」を発症したら、一般的には皮膚科を受診しましょう

基本的には、健康保険が適用されます。

治療方法は大きく以下の3つです。

  • 局所療法
  • 外用療法
  • 内服療法

それぞれ見ていきましょう。

局所療法

局所療法は、主に「ステロイド局所注射」や「局所免疫療法」です。

症状によってどちらになるか異なります。

  • ステロイド局所注射
  • 局所免疫療法

それぞれ見ていきましょう。

ステロイド局所注射

「ステロイド局所注射」とは、ステロイドを脱毛している部分に注射します。

以下のような場合にまず行われる治療法です。

  1. 通常円形脱毛症(単発型、多発型)
  2. 脱毛部分が頭髪全体の25%未満の場合

高い治療効果がありますが注射の痛みや、注射した部分が陥没するなどの副作用があります

また、子供には「ステロイド局所注射」は行えません。

局所免疫療法

「局所免疫療法」は、人工的にかぶれを起こす薬を使う方法です。

以下のような広い範囲が脱毛している場合に年齢に関係なく行なわれます。

  1. 頭髪全体の25%以上が脱毛している多発型
  2. 全頭型
  3. 汎発型

9割以上の型に発毛効果が見込める治療方法です。

しかし蕁麻疹や頭痛、倦怠感などの副作用が報告されています。

アトピー性皮膚炎の方は、皮膚症状が悪化してしまう場合があるので注意が必要な治療方法です。

「局所免疫療法」には、「SADBE(スクアレン酸ジブチルエステル)」や「DPCP(ジフェニルシクロプロペノン)」という薬が使用されるのですが医薬品ではありません。

なので、この治療は保険適用外となってしまいます。

外用療法

外用治療は「ステロイド」や「ミノキシジル」、「塩化カルプロニウム」などの塗り薬を使う方法です。

「ステロイド」は、炎症や免疫システムの働きを抑える効果があります。

「ミノキシジル」は、頭皮の血行を改善でき発毛を促してくれる成分です。

「塩化カルプロニウム」は、血管拡張作用があります。

この中で十分な治療効果が証明されているのは、「ステロイド」のみです。

しかし「ミノキシジル」と「塩化カルプロニウム」は、安全性が高く他の治療方法と併用することができます。

内服療法

内服療法で使われる薬は、「ステロイド」や「セファランチン」です。

  • ステロイド
  • セファランチン

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ステロイド

他の療法でも使われた「ステロイド」は、場合によっては飲み薬として処方されることがあります。

しかし、「ステロイド」を内服することは身体への負担が大きいでしょう。

肥満や糖尿病、緑内障、生理不順などの副作用のリスクがあるのが難点です。

それに服用をやめると、円形脱毛症が再発してしまうこともあります。

発症から半年以内で、症状が急激に進行している方のみ検討される治療法です。

子供は、ステロイドの服用はできません。

セファランチン

「セファランチン」は、アレルギー症状を抑え血流を改善する作用があります。

しかし、「セファランチン」が円形脱毛症に効くという科学的根拠は薄いです。

日本国内では診療実績は多いので、単発型や多発型の場合に他の治療法と併用されることがあります。

「円形脱毛症」を隠す方法

「円形脱毛症」の治療には時間がかかる場合があります。

外見の変化がストレスになる人も多いので、上手に隠す工夫をしましょう。

隠す方法は、以下の通りです。

  1. 髪型を工夫する
  2. 帽子をかぶる
  3. 増毛スプレーやパウダーを使う
  4. 部分かつらを使う

髪型を変えたり、外では帽子をかぶるなどして隠しましょう。

また増毛スプレーでボリュームを出してごまかしたり、ハゲを隠せるパウダーも販売されています。

また、範囲が大きい場合には部分かつらを使うのも良いでしょう。

「円形脱毛症」の合併症

「円形脱毛症」はアトピーの人がなりやすいとご紹介しましたが、他にも以下のような病気の場合に合併して起こりやすいことがわかっています。

  1. 甲状腺疾患
  2. 尋常性白斑
  3. SLE
  4. 関節リウマチ
  5. I型糖尿病
  6. 重症筋無力症
  7. ダウン症

これらの合併症があるか確認するためには、血液検査をしましょう。

特にダウン症患者で「円形脱毛症」が起こる確率は高いという報告があります。

「円形脱毛症」は遺伝する

「円形脱毛症」は、遺伝することがあると最近では考えられています。

中国で行われた大規模調査では、円形脱毛症の患者の家族に同じ病気が発病していた確率は8.4%と出ました。

発症率は、親と子など関係が近いほど高かったです。

アメリカの調査では1親等内に円形脱毛症の家族がいた場合には、発症率が10倍になるという結果が出ました。

一卵性双生児の場合には、約55%の双子で兄弟のどちらにも円形脱毛症が発症していたという報告もあります。

このように円形脱毛症の発症は、遺伝的な要素が関わっていると考えられるでしょう。

まとめ

  1. 「円形脱毛症」は、性別や年齢に関係なく赤ちゃんから大人まで幅広い年代の人に起こる可能性がある脱毛症
  2. 「円形脱毛症」には、様々なタイプがあり治りやすさが異なる
  3. 「円形脱毛症」は、免疫が毛根を誤って異物と判断し攻撃してしまうことで起きる
  4. 症状の進行状況によって、治療法は異なる
  5. 「円形脱毛症」は、遺伝することがある

ストレスが原因と言われることが多いですが、原因は明確にはされていません。

「円形脱毛症」は、自然治癒することもあります。

しかし進行してしまうと、治るまでに時間がかかってしまうでしょう。

また、他の病気を併発している場合もありますので円形脱毛を見つけたら早めに皮膚科を受診してください。

「円形脱毛症」は、女性と男性で症状は異なりません。

考えられる要因も同じでしょう。